メルセデスAMG GT 詳細データテスト 高まった安定性 神経質さの残るハンドリング 低い静粛性

公開 : 2024.08.24 20:25

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

16万2105ポンド(約3112万円)というのが新型GTの最安値で、先代のような10万ポンド(約1920万円)程度のモデルはなくなった。それがあれば、ポルシェ911カレラGTSあたりの顧客層を取り込むこともできただろう。

テスト車は、これに2500ポンド(約48万円)相当のオプションが追加されていたものの、標準装備も充実の内容だ。816psのGT63 S Eパフォーマンスは17万7715ポンド(約3412万円)から。ライバルは、このクラスでわれわれがもっとも高い評価を与えているフェラーリ・ローマが18万5975ポンド(約3571万円)から、ポルシェ911ターボが15万9100ポンド(約3055万円)からだ。

3年後の予想される残価は、新車価格の半分程度。高いように思えるが、高級GTカーとしては当然のことだ。
3年後の予想される残価は、新車価格の半分程度。高いように思えるが、高級GTカーとしては当然のことだ。

価格は高いが、少なくとも4.0LのV8は、長距離走行では驚くほど経済的。クルージングでの実測燃費は10.9km/Lで、満タンでは750km以上走れる計算だ。ロンドンからル・マンまで無給油で行けるということになる。

荒れた路面や勾配のきついガレージへのアプローチも恐るるに足らず。地上高は極端に低くないが、ノーズリフトシステムも標準装備で、フロントのクリアランスを30mm上げることが可能だ。室内の装備も充実しており、ロードノイズが我慢の範疇に入るなら、GTカーの守備範囲は完全にカバーできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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