「四角い」ボディで大胆イメチェン ヒョンデ・サンタフェ PHEVへ試乗 広大な車内に充実装備

公開 : 2024.09.25 19:05

大型SUVのサンタフェが5代目へ 直線基調のスタイリングで大胆イメチェン 煮詰められた動的特性 トップレベルに好印象なインテリア 充実装備で高い価格競争力 英編集部が評価

直線基調のスタイリングで大胆イメチェン

英国市場で販売されるSUVは、ますます増える一方。各モデルには、他に埋もれない明確な個性が必要だといえる。ヒョンデの新しいサンタフェのように。

一新された5代目は、丸みを帯びていた4代目から大胆にイメチェン。このクラスでも特に注目を集める、直線基調のスタイリングをまとっている。

ヒョンデ・サンタフェ 1.6T 253PS プラグイン・ハイブリッド・カリグラフィー(英国仕様)
ヒョンデ・サンタフェ 1.6T 253PS プラグイン・ハイブリッド・カリグラフィー(英国仕様)

ボディサイズも拡大。全長は4830mm、全幅が1900mm、全高が1770mmと、ランドローバー・ディスカバリーに近い大きさがある。ホイールベースは2815mmだ。

今回試乗したサンタフェを走らせるパワートレインは、1.6L 4気筒ガソリンターボエンジンに、97psの駆動用モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド。システム総合で252psを発揮する。車重は2090kgあり、0-100km/h加速は9.3秒でこなす。

プラグイン・ハイブリッドらしく、デフォルトでは駆動用モーターだけで発進。パワーが足りなくなると、内燃エンジンが加勢してくれるが、この協調性はもう少し改善できると思う。

トランスミッションは6速オートマティック。変速が少し遅れ気味で、高負荷時にはエンジンノイズが目立ってしまうようだった。日常的な条件での印象は、悪くないけれど。

ダイレクトなステアリング 快適性重視のサス

駆動用バッテリーの容量は、13.8kWh。今回は240kmほどを試乗し、バッテリーの充電は使い果たしたものの、平均燃費は16.8km/Lに届いた。エンジンを回さずに、1度の充電で最長53km走行できると、ヒョンデは主張する。

比較すると、トヨタRAV4 PHEVは75km、プジョー5008は77kmをEVモードで走れ、このクラスではやや短めの距離といえる。英国では、頭1つ飛び出た性能を持つのがシュコダ・コディアックのハイブリッド。5シーターだが、178kmも走れる。

ヒョンデ・サンタフェ 1.6T 253PS プラグイン・ハイブリッド・カリグラフィー(英国仕様)
ヒョンデ・サンタフェ 1.6T 253PS プラグイン・ハイブリッド・カリグラフィー(英国仕様)

公道へ出れば、比較的重めのボディはしっかり管理下に置かれており、煮詰められた動的特性を持つことは明らか。ステアリングホイールには適度な重みがあり、カーブでの反応はダイレクト。四角いボディは四隅を把握しやすく、狭い道でも扱いやすい。

サスペンションは柔らかめで、旋回時にはある程度のボディロールが生じる。それでも、ディスカバリーと同等の大きさだと考えれば、まったく許容範囲。低速域では路面の凹凸を吸収してくれ、快適性を重視した設定にある。

ただし、試乗車は20インチ・ホイールを履いており、高速道路や速度抑止用のスピードバンプで、やや落ち着かない場面もあった。インチダウンしても良いだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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