快活・快適な電動ハッチバック ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックへ試乗 航続伸延で競争力UP!

公開 : 2024.10.06 19:05

日産アリアと同じEVプラットフォームを採用する電動ハッチバック スタイリッシュな見た目が強み タッチモニターは12.0インチへ拡大 丁度いい動力性能に快活な操縦性 英編集部が評価

日産アリアと同じEVプラットフォーム

2022年に英国で発売された、ルノーメガーヌ Eテック・エレクトリック。デザイナーのジル・ヴィダル氏が担当したスタイリングは、コンセプトカーのようにオシャレで、セニックやシンビオズ、キャプチャーなど、ブランドのイメージを牽引してきた。

一方、後方視界はやや狭めで、現代のバッテリーEVとして航続距離は今ひとつ。ライバルが多い、このクラスをリードする存在とはいえなかった。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)
ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)

しかしルノーは、2024年仕様のアップデートで低価格化。高効率なヒートポンプ式エアコンを標準装備とし、ダッシュボードには3インチ大きい12インチのタッチモニターを採用した。その最新版の実力を、確認してみよう。

メガーヌ Eテックがベースとするのは、日産アリアと同じ、CMF-EVプラットフォーム。フロアに大きな駆動用バッテリーが敷かれるのは他メーカーと共通だが、駆動用モーターがフロント側に載る、前輪駆動レイアウトを採用する。

英国仕様の駆動用バッテリーは60kWhで、駆動用モーターの最高出力は218psの1択。欧州市場などでは、40kWhの容量も提供されている。

アリアにはツインモーター仕様もあるが、電動パワートレインの一式を前方へ集約することで、車内空間を広く取れる点が強み。前後を結ぶハーネス類も不要で、軽量・簡素に仕上がっている。

実際、メガーヌ Eテックの車重は1636kg。英国の競合、クプラボーンより100kg以上軽く、荷室も広い。

スタイリッシュな見た目 タッチモニター拡大

全長は4210mm、全幅が1780mm、全高が1500mmで、サイズはフォルクスワーゲンID.3よりひと回り小さい。ホイールやボンネットの存在感が強い一方で、前後のオーバーハングは短め。躍動感のあるスタイリングだと思う。

同クラスのライバルより、好印象ではないだろうか。2024年でも誘目性は高く、購入候補を絞る際にも有利に働くはず。後方視界が狭いことは、変わらないが。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)
ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)

車内を観察すると、今回のアップデートで大きく変化したのが、ダッシュボード上のモニター。インフォテインメント用は12.0インチ、メーター用は12.3インチという、ワイドなパネルが鎮座する。位置が低く、前方視界にはかからない。

インフォテインメント・システムはグーグルをベースとした、ルノー独自のオープンリンク。グーグル・マップや音声アシスタントを利用でき、スポティファイなど追加アプリのダウンロードにも対応する。

アンドロイド・オートなどと異なり、グーグル・マップ上にはバッテリー残量を表示可能。メーターパネル側に、ナビ情報を表示できるのも便利だ。反応が素早く操作性は良い。ステアリング・スポーク上の、実際に押せるボタン類も評価したい。

荷室容量は440Lと大きい。ボディがひと回り大きい、キア・ニロ EVの475Lへ迫る。床下にも、充電ケーブルをしまえる33Lの収納空間がある。だが床面の位置が低く、開口部との段差が大きい。後席を倒しても、フラットにはならない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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