快活・快適な電動ハッチバック ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックへ試乗 航続伸延で競争力UP!

公開 : 2024.10.06 19:05

ファミリーハッチとして丁度いい動力性能

乗員空間は、後席側で腰付近の前後長が685mm。高さ方向も含めて、このクラスのハッチバックでは平均的な広さがある。少し、閉じ込められた感があるけれど。

前席側も空間は平均レベルながら、センターコンソールの小物入れなど使い勝手は優秀。シートの座り心地は良く、ステアリングコラムの調整域が広い。メーター用モニターのカスタマイズ範囲は限定される。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)
ルノーメガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)

内装は、シートやダッシュボードがクロスで覆われ、上質なラウンジのよう。ステアリングホイールは合成皮革が巻かれるが、本皮のようにタッチが良い。他方、ドアパネルの上部は硬いまま。アルカンターラも用いられているが、統一感はやや低いかも。

観察はこのくらいにして、発進。メガーヌ Eテックの0-100km/h加速は6.9秒、最高速度は159km/hが主張される。110km/h以上の速度域でも、パワー感は衰えにくいように感じた。

ファミリー・ハッチバックとして、丁度いい動力性能だといえる。充分に軽快で、ドライバーが求めればシャシーの能力を引き出せる。運転免許が危うくなるほど過剰ではなく、通常はトラクション・コントロールのお世話になることもない。

ドライブモードは、エコ、コンフォート、スポーツ、パーソ(パーソナル)の4種類。パドルで回生ブレーキの強さも選べる。ただし、ブレーキペダルを踏まずに済む、ワンペダル・ドライブには対応しない。

アクセルペダルの反応は、若干敏感かもしれない。だが、すぐに慣れるレベルだろう。

快活に操れるステアリング 有能なクルコン

メガーヌ Eテックを、ルノーはスポーティに仕上げたと主張する。同様な特長を掲げる競合は多いが、アップデート後のステアリングは、従来より漸進的に反応。乗り心地はしなやかでありつつ、姿勢制御も落ち着いている。

きついヘアピンカーブなどでは、ボディロールを示すとはいえ、快活に操れる。本物のスポーツ・ハッチバック、とまでは呼べないとしても。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)
ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(英国仕様)

グリップ力は高く、回頭性は鋭い。アクセルペダルを急に緩めると、スタビリティ・コントロールが介入する手前で、フロントノーズを巻き込んでいける感覚がある。全体的には、リラックス傾向の特性といえるが。

110km/hでの巡航時の車内は、基本的に静か。ソフトなシートはサポート性が高く、長時間でも疲れにくそうだ。

試乗車は20インチと大径のホイールを履いていたこともあり、ロードノイズはやや大きめだった。通常の18インチならサイドウォールが厚くなり、より静かで乗り心地も向上するはず。

運転支援システムは、クルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、車線維持支援などが標準。中級グレード以上では、車線追従機能にブラインドスポット・モニターなどが盛り込まれる、アダプティブ・クルーズコントロールを得られる。

このアダプティブ・クルコンはかなりスムーズで、車線の中央をしっかり保ってくれる。ステアリングホイールを握っていなくても、手を添えていれば認識してくれ、安楽に高速道路を移動できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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