アウディQ6 E-トロン 詳細データテスト 新プラットフォームの高い実力 質感と操作性は1歩後退

公開 : 2024.10.12 20:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

最上位グレードはパフォーマンスモデルのSQ6 E−トロンで、その下にはスポーツ/Sライン/エディション1の3グレードがある。パワートレインも3タイプで、プレーンなQ6はシングルモーターと小さいほうのバッテリーとの組み合わせ。パフォーマンス仕様は54psアップし、バッテリーも100kWhにアップグレード。そして、この100kWhバッテリーと前後モーターを組み合わせるのがクワトロだ。

価格は6万700ポンド(約1178万円)からだが、3500ポンド(約68万円)の追加でアップグレードできる航続距離の長いパフォーマンス仕様は選ぶ価値がある。

後部荷室の前後長は950~1740mm、幅は1045~1390mm、高さは520~760mm。見たところなんの変哲もないが、フロアが高すぎることはない。
後部荷室の前後長は950~1740mm、幅は1045~1390mm、高さは520~760mm。見たところなんの変哲もないが、フロアが高すぎることはない。    JACK HARRISON

テスト車は限定モデルのローンチエディションで、内容的にはフルオプションのクワトロ・エディション1だ。価格は8万650ポンド(約1565万円)で、同等スペックのレクサスRZやジェネシス・エレクトリファイドGV70よりやや高いが、航続距離は2台を凌いでいる。いっぽう、ポルシェ・マカン4やメルセデス・ベンツEQE SUV 350 4マチック、マセラティグレカーレ・フォルゴーレとの比較では、だいぶ安価だ。

航続距離や効率、充電性能はかなりいい。新プラットフォームによる大きな進歩を期待していてさえそう言える。夏季にさまざまな走らせ方をして、電費はだいたい4.7km/kWhというのは、長期テストをしたRZよりややよく、残念な結果だったマセラティよりはずっといい。バッテリー容量はレクサスを大きく上回るので、当然ながら後続距離はかなり長く、さらに充電も早い。

とはいうものの、充電テストでは270kWという直流急速充電の公称値に補足が必要だとわかった。たしかにピークはこの数値に達するが、すぐに200kW以下へ落ちてしまう。それでも早いが、やや過大広告気味だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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