S4改め、アウディS5 アバントへ試乗 3.0L V6ターボのHVで367ps! 新デザインテーマの車内

公開 : 2024.11.01 19:05

アウディS4改め、最新S5が登場 3.0L V6ターボのハイブリッドで367ps 寸法はひと回り成長 新デザインテーマが展開される車内 快適性を保ちつつシャープな操縦性 英編集部が評価

エンジンは3.0L V6ターボ 寸法はひと回り成長

まったく新しい、アウディS5 アバントが登場した。そう、S4 アバントとは名乗らない。クーペ風サルーンの進化版ではない。

AUTOCARの読者ならご存知かと思うが、アウディはモデル名を刷新することにした。これからは、専ら内燃エンジンで走るモデルには奇数が、電気モーターだけで走るモデルには偶数が振られる。

アウディS5 アバント TFSI クワトロ・エディション1(欧州仕様)
アウディS5 アバント TFSI クワトロ・エディション1(欧州仕様)

遡ること約半世紀前、アウディ80と呼ばれていたモデルは、20年ほど前にA4へ改称。これからは、A5と呼ばれることになった。だが伝統に則り、高性能な仕様も用意され、それはS5と呼ばれる。

フロントに載るのは、3.0L V型6気筒ガソリンターボエンジンで、ボディスタイルは、ルーフラインの伸びたステーションワゴン。不思議と安心する文字面に思えるのは、筆者だけだろうか。ただし、先代のS4 アバントからかなりの進化を遂げている。

ボディサイズはひと回り大きくなった。全長は67mm伸び、4829mmある。全幅は13mm広がり、1860mmだ。21世紀が始まった頃の、初代A6のサイズへ近づいた。まだ扱いにくい寸法ではないものの、どこまで成長していくのか疑問が湧いてくる。

プラットフォーム刷新 25psの電気モーター内蔵

プラットフォームは、プレミアム・プラットフォーム・コンバスション(内燃)、略してPPC。先代からの進化版となり、完全に新しいわけではない。前輪駆動にも対応する設計だが、エンジンは縦置きされることが特徴となる。

その結果、比較的大きいV6エンジンにも対応する。クワトロの四輪駆動で、状況次第ではパワーの大部分をリアタイヤへ伝えることもできる。サスペンションは、フロントが4リンク、リアが5リンクと凝った設計が与えられている。

アウディS5 アバント TFSI クワトロ・エディション1(欧州仕様)
アウディS5 アバント TFSI クワトロ・エディション1(欧州仕様)

パワートレインは、大幅に見直された。アウディはMHEVプラスと呼ぶが、マイルドではない、フルハイブリッドが実装されている。

3.0L V6エンジンはおなじみのユニットといえるが、スターター・ジェネレーターだけでなく、トランスミッション内に駆動も担う電気モーターが組まれている。最大25kWの回生能力を有し、25psを発揮する。

このモーターはエンジンをアシストするだけでなく、電気だけでの走行に対応。低域トルクも補完する。また、ターボチャージャーは可変ジオメトリが採用され、同じく低域を増強。トルクコンバーターを回し、トルクを増幅する必要性が減った。

その結果、従来的なトルクコンバーター式の8速ATから、高効率だと主張される、7速デュアルクラッチATへ変更。クワトロのセンターデフも、クラッチ式へ更新された。リアデフには、電子制御されるリミテッドスリップ・デフを装備する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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