ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
公開 : 2024.11.09 20:25
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
重要なアップデートはふたつ。そのひとつが、新たなニッケル・マンガン・コバルト電池パックだ。実用容量は82kWhと97kWhの2種類で、グレードやオプションにより異なる。セルの組成がこれまでと異なり、放充電とも素早くなっている。97kWh版は、最大充電性能が直流320kWだ。
あわせて、よりハイパワーで効率的な新型インバーターを採用。リアの主モーターも刷新し、マグネット配置を変え、ステーターのコイルはより効率のいい巻き方に。出力は最大108psアップしている。シングルーモーター仕様は、このモーターが1基のみで、2速ATを介して後輪を駆動。2モーター車は、フロントにモーターと1速ギアボックスを積む。
2種類のバッテリーも、新型リアモーターも、うれしいことに従来型より重量を削減している。そのほかにも広範囲にわたる細かな改良を積み重ね、エントリーグレードのタイカンにオプションのパフォーマンスバッテリー・プラスを追加した仕様の航続距離は、WLTP混合値で446kmから679kmへ大幅に伸長した。マイナーチェンジとは思えないほどの進歩で、ほかのグレードもそれぞれ従来型より改善をみている。
パワーについても、エントリーグレード以外は向上した。4Sは598ps、ターボは884ps、ターボSに至っては952psだ。ただし、これらの数字はローンチコントロール作動時か、オーバーブーストスイッチを押した際の、瞬間的に発揮される数値に過ぎないが。リアモーターの直径は全車共通の254mmだが、ターボ系は長さが130mmから210mmに伸びる。
全車ともエアサスペンションとなり、リバースカメラや前席シートヒーター、パワートレイン用ヒートポンプ、スマートフォン用ワイヤレス充電器も標準装備される。
オプションでは、新開発のポルシェ・アクティブライドシステムを設定。インターリンクしたアクティブダンパーで、電動油圧リザーバーにより各輪のダンパーを操作して、スムースな乗り心地と、瞬時の車体姿勢制御を行う。テスト車には、4WSと合わせて搭載されていた。