コンパクトでプレミアム! ヒョンデ・インスターへ試乗 コダワリ感じるインテリア

公開 : 2024.11.18 19:05

コンパクトでプレミアムなEVを目指した、インスターが登場 コダワリを感じる車内空間 活気に欠ける動力性能 運転体験の印象は薄い 装備は充実でも価格はお高め 英編集部が評価

コンパクトでプレミアムなモデル作り

ヒョンデの新たな電動モデル、インスターが英国へやってきた。個性的な見た目のコンパクトカーだが、装備はメルセデス・ベンツ級に充実している。航続距離は368kmと、このクラスでは長い部類に入るだろう。

ただし、お値段もお高め。コンパクトでプレミアムなモデル作りは、興味深いものの成功例は多くない。最近の例では、ホンダeが思い浮かぶはず。それでも、ユニークなクルマは歓迎されるものといえる。

ヒョンデ・インスター 02(韓国仕様)
ヒョンデ・インスター 02(韓国仕様)

インスターのボディサイズは、全長3825mm、全幅1610mm、全高1575mm。サイズ感でいうと、スズキ・イグニスに近い。駆動用バッテリーがフロア部分に敷かれ、プロポーションは背が高め。基本的には、都市部向けのハッチバックの延長にある。

ベースとなったモデルは、ガソリンエンジンで走るヒョンデ・キャスパー。カタチも似ているが、電動パワートレイン用にフロアが改造され、ホイールベースは180mm、全長は230mm伸ばされている。

スタイリングは、アウトドア感のある遊び心が散りばめられ好印象。ホンダeのような、レトロフューチャーな雰囲気はないものの、イグニスより主張がある。

駆動用モーターはフロントに搭載され、前輪を駆動。サスペンションは、前がマクファーソンストラット式で、後ろがトーションビーム式と、シンプルな構成となる。

突出したコダワリを感じる車内空間

インテリアは、このクラスとしては突出してコダワリを感じる部分。シートレイアウトは多彩で、前席と後席の背もたれはフラットに折りたたむことが可能。また後席も前後にスライドでき、乗員空間か荷室容量か、どちらを優先するか調整できる。

その荷室の容量は、1番狭い状態で238L。後席を前方へずらせば、351Lへ拡大できる。

ヒョンデ・インスター 02(韓国仕様)
ヒョンデ・インスター 02(韓国仕様)

内装の知覚品質は高く、1クラス上。グローブボックスやウインカーレバーなどの質感はソリッドで、シートは座り心地が良い。ステアリングホイールのリムは肉厚で、安心感を抱ける。

ダッシュボード中央の、インフォテイメント用タッチモニターは10.25インチ。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応し、グラフィックは美しく、ソフトウエアも扱いやすい。運転席の正面にも、同サイズのメーター用モニターが据えられる。

助手席の正面には、バックライト内臓の小物トレイ。センターコンソールには、大きなカップホルダー。造形的なまとまりも良く、既存部品を集めたのではなく、インスターのためにデザインされたように映る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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