「外車の車名どう呼ぶか」問題 英語読みか母国の発音か 英国記者の視点
公開 : 2024.11.29 18:05
日本人ならフィアット500を「チンクエチェント」と呼ぶか「ごひゃく」と呼ぶかで迷うだろうが、その迷いは英語話者にも当てはまる。例えば、英国の記者は「12Cilindri」をどう発音するかで頭を抱えている。
「12Cilindri」←どう呼ぶのが正解?
あなたはフェラーリの新型「12Cilindri」について、どう発音するだろうか?
英語話者の筆者は、「トゥエルブ・シリンダーズ(Twelve Cylinders)」と言うか、それとも親指に人差し指を添えてイタリアンなアクセントで「ドーディチ・チリンドリ(Dodici Cilindri)」と言うかで迷っている。
なぜなら、筆者の同僚の何人かは、新型車を「ドーディチ・チリンドリ」と呼ぶつもりはないと言っているからだ。彼らは、そう呼ぶと、パリのことを「パリィー(Paree)」と言うような人間(つまり、耐え難いほど気取った人)だと思われると考えている。
それはもっともだと思ったが、同時に、英語読みで「ロゥム(Rome)」ではなくイタリア語読みで「ローマ(Roma)」と発音するように、クアトロポルテ(4ドア、フォー・ドア)やテスタロッサ(赤い頭、レッドヘッド)も英語に訳していないことを思い出した。では、どうしてこうなるのか?
筆者は「ドーディチ・チリンドリ」と口に出して何度か言ったことがあるが、やはり気取ったように聞こえるのではないかと心配している。英語の「ポーシェ」をドイツ語読みで「ポルシェ」と言うようなもので、残念ながら筆者も時々そう言ってしまう。しかし、「マセラティ・グラントゥーリズモ」と言うことに恥ずかしさは感じない。フィアットのチンクエチェント(500)やセイチェント(600)についても同様だ。
ただし、フィアット500の一部、例えば新型車については「ファイブ・ハンドレッド」と言う。もしかしたら、潜在的な問題は数字にあるのかもしれない。「12Cilindri」という車名には数字とアルファベットの両方が混在している。
数字だけなら、筆者は英語に翻訳するだろう。「ノイン・エルフ」ではなく「ナイン・イレブン」とするように。しかし、「Europa」や「Torino」のようにスペルがはっきり記されている場合は、自然な形で発音する。
用語辞典に明確な指示を出すのに “ほぼ” 十分な根拠がある。ほぼ、だが、完全ではない。なぜなら、フェラーリ「250」は間違いなく「トゥー・フィフティ(Two Fifty)」であり、「458 Italia」は「フォー・ファイブ・エイト・イタリア(Four Five Eight Italia)」以外の何物でもないからだ。
残念ながら、決定的な前例はないと思われる。そこで筆者は、「12Cilindri」については皆さんのお好きなように考えばよろしい、という結論に達した。