英「覆面調査」ビジネス 自動車ディーラー専門も 同行で実態さぐる
公開 : 2018.03.21 11:40
店員だって「悩ましい」?
わたしもAUTOCARにジョインする前、セールスマンをしていたので、この仕事の難しさはよくわかる。特に「気難しい」顧客に会うプレッシャーには悩まされるものだ。
セールスは接客のイロハとして「物腰をやわらかく」「相手を尊重して」「親しみをもって」と教わる。これは接客対応を生き生きしたものにするのだが、IT化された営業の世界には時代遅れとされることもある。相手の目を見て、身振り手振りをまじえて話し、相手の話に耳を傾けるという行為が、もっとも重要な営業スキルの座から滑り落ちる危機にひんしているのだ。
危機? いや、これはもう現実なのだ。
多くのディーラーで、このかけがえのない「やわらかな」接遇は、守ると昇給につながる「儲けの10か条」に負けて忘れ去られてしまっている。しかし、よく練られた営業スキルに接遇スキルを組み合わせればクルマが売れるのもまた事実なのだ。
とはいってもまだ捨てたものではなく、フォルクスワーゲン・グループ、ポルシェ、アストン マーティンに日産など、そのことに気づきはじめている自動車メーカーや大手販売会社もある。実は、彼らはある会社にお金を払ってみずからのディーラーに偽の客をよこし、セールスや整備担当者の対応が適切かどうかを確かめてもらっているのだ。