時速10km/hから変わるクルマ、そしてヒト マツダを内側から見る

2018.03.11-03.12

「小さい組織だからできるんです」


マツダを解読するうえで外せないのが「良いクルマを作るために、人間を深掘りする」という一見分かったような分からないようなキーセンテンス。

そのために「人間の歩行を研究して、クルマの自然な動きに反映させる」という、そこまで掘り下げる?といった領域をクルマ作りの公理に取り入れているのである。

ドライビングポジションしかり、人間中心のパッケージレイアウトしかり、万事この「掘り下げ」が全ての根幹となる。

それでは、掘り下げて、考え、構築し、クルマという製品にしていくのはAIだろうか? もちろん違う。現場の作業員たちが問題意識を持ち、けんけんがくがくを繰り返すのだ。

Zoom-Zoom、人馬一体、SKYACTIV それを支えるマツダパワー

「クルマを通して人間を心豊かに幸せにしていく」という信念を、1台1台のモデルに深化させてきたマツダ。この言葉は、純粋なくらいに働く人たち一人一人に内在している魂なのだと思う。

限られたマンパワーを逆手に取り、「小さい組織だからできるんです」と生産、開発を前向きに取り組む。現場の方々の凛とした顔つきと優しさに触れると、彼らの自信を感じられた。

技術的なハードル。それを打破しなくてはならない現実。ひとつひとつを克服し、血肉化していったのは、彼ら一人一人の信念と情熱だと僕は思う。

東京へ戻る飛行機の中。マツダのクルマに対しての想いや工場で出会った方たちの顔を思い返していると、困難を跳ね返す力のようなものが、自分にも湧き上がってきた。

マツダの信念。「クルマを通じて人間を心豊かに幸せにしていく」ということ。実は今回の取材会だって、それを起源に組み立てられたものだったのではないか。

雲の切れ間から見下ろした東京が、いつもとは違う街に見えた。


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