ロードテスト フォード・フィエスタST-3 ★★★★★★★★★☆
公開 : 2019.01.03 11:40
内装 ★★★★★★★☆☆☆
最上級グレードのST-3の車内には、ハーフレーザータイプのスポーツシートが装備され、ドライーバを元気づけてくれる。サイドサポートもしっかりしており、ホットハッチとして理想的なシートだと思う。ST-3よりも下のグレード、ST-2やST-1の場合、ハーフレーザーではなくなるが、シート形状自体は同じものになる。
着座位置はやや高い印象で、背の高いドライバーの場合、脚まわりには後数センチ余裕がほしいと感じるだろう。またステアリングコラムは、シートのセンターから10mm右側にオフセットしていることにも気づくはず。ステアリングの中心に身体を合わせると、右側のサイドサポート寄りに座らなければならない。
インスツルメントは読みやすいアナログメーター。ちょうどいい太さのステアリングホイールの内側から覗き見る感じとなる。ステアリングホイールのスポークには、クルーズコントロールやトリップコンピューター、インフォテインメント・システムのボタンが並び、少し賑やかな印象に感じた。
ちなみに、エンジンのスタート/ストップスイッチや、スタビリティコントロール・システム、ドライビングモードも選択スイッチは、ハンドブレーキレバーの向こう側、少し見にくい位置に付いている。多少コストが掛かっても、従来モデルのように操作しやすい位置に付いていたほうが良かったと思う。
ダッシュボードの中央には独立したデザインで、8.0インチのインフォテインメント・システム用のモニターが搭載されている。主な機能面では使いやすいものの、ライバルと比較して、特に洗練したものとは感じられない。インテリア全体の質感に関しては、従来モデルから大きな変化は感じられないが、クラス平均よりも優れているといえるだろう。
Aセグメントというコスト的に余裕のないクラスだから、いかにも高級な素材を使用したり、整形が難しそうなデザインを施すことは難しいだろう。だとしても、フィエスタのインテリアは充分頑張っていると思う。
その反面、車内の実用性はさほど高いとはいえない。5ドアと3ドアのボディタイプが選べるが、フォルクスワーゲン・ポロGTIと比較すると、後部座席もラゲッジスペースも、広さで大きな開きがある。