試乗 ルノー・クリオ(ルーテシア)TCe100 1.0L3気筒ターボ 優秀な素地
公開 : 2019.07.20 10:10 更新 : 2019.08.13 15:53
先代の流れを汲むエクステリアデザイン
既にニュースでご紹介している通り、ハイブリッドにも対応し、このクラスではライバルを凌ぐ運転支援システムも採用。運動神経が自慢のフォード・フィエスタと、洗練された落ち着きが魅力のフォルクスワーゲン・ポロとの間を埋める良いとこ取りを狙うのがクリオだといえる。スーパーミニと呼ばれるA・Bセグメントの金脈であり、新しいプラットフォームが担う役割は大きい。
ルノーとしては、パフォーマンスに加えてインテリアの質感の向上も目指したとしている。シャシー性能とは別の課題でもあり、かなり様々な思いが込められているクルマだということがわかる。反面、ルノーとしては珍しく、エクステリアデザインに関しては、今回はあまり大きな話題にはしていない。
ルノーによれば、先代クリオが売れていた大きな理由は、そのアピアランスにあったと分析している。2014年の発表以来、毎年のように販売台数の増加が続いたという。オランダ出身のデザインディレクター、ローレンス・ヴァン・デン・アッカーへのルノーからの要望は多くはなかったのだろう。先代のクリオを手がけるまではブランド・アイデンティティの構築に関わっていたローレンスだが、野心は大きくなかったようで、先代からのブラッシュアップという雰囲気だ。
しかし、明確に新しくはなっている。フロントグリルは近年の傾向通り大きくなり、メガーヌ譲りのLEDアイラインが入った。ボンネットには2本のプレスラインが入り、フロントバンパーのデザインも一新している。大きな驚きはないけれど。
サイドウインドウはクロームメッキのモールで縁取られ、華やかな装いに。ドアパネル周りのボリュームを少し絞り込むことで、抑揚のあるフェンダーラインを生み出している。リアバンパー下部には黒いプラスティックパネルが埋め込まれ、軽快さを演出。過度な装飾は控えつつ、スタイリッシュにまとまっている。スポーティでもあり、熟成されたようにも感じられる。今回のクルマはバレンシア・オレンジという鮮やかなボディカラーで、ポルトガルの太陽の下では一層若々しく映る。