試乗 ルノー・クリオ(ルーテシア)TCe100 1.0L3気筒ターボ 優秀な素地
公開 : 2019.07.20 10:10 更新 : 2019.08.13 15:53
どんな感じ?
ライバルを凌駕する群を抜いたインテリア
アピアランスの面で先代から大きく進化したことがはっきり分かるのは、インテリアデザイン。いかにも安っぽい素材は、もはや目に見える箇所や、手で普段触れるような部分からは姿を消した。先代から大きく飛躍し、ソフト加工された素材で覆われている。硬質なプラスティックを探したら、アウディR8のものに似ているシフトノブの下の方、台座部分に残っていた。
デザイン処理はプレミアム感さえある。ダッシュボードの中央、エアベントが配された部分のくぼみはアウディのようだが、ルノーはそこに鮮やかな色でラテンの個性を出している。インテリアのカラーや素材の選択肢はやや過剰に思えるほど複数が用意されている。
実際に触れた時の印象も良い。試乗車に備わっていたレザー巻きのステアリングホイールは、少なくともクラスの中では上位に入る触り心地の良さだし、エアバッグの収納設計を見直したおかげで、センターパッドが小さくなり、リムとスポークの間からはデジタル・インスツルメントが非常に見やすい。パワーウインドウのスイッチや9.3インチのインフォテインメント・システム・モニターに配されたスイッチ類のタッチも高級感がある。
ルノーは、エアコンの操作までモニターで済ませる昨今の流れに反し、物理的なロータリーダイヤルを残してくれた。プラスティック製のパーツだが、しっかり凹凸がつけられ、クロームメッキ処理されているから、小さくない存在感だが納得できる。インテリアの雰囲気は極めて素晴らしい。
ステアリングコラムの調整幅は大きく望み通りの位置に設定でき、背の高い大人でも不満を感じないほど、座面高を低くセットすることもできる。ただし、シートのサイドサポートは、見た目ほどしっかりしたものではない。一方で、運転した印象は充分以上なものではあるものの、インテリアほど群を抜いているというわけではなかった。