【クラス一番のハンドリング】日産ジューク DIG-T N-コネクタ 3気筒ターボ

公開 : 2019.12.29 10:20

先駆者的存在ではなくなった2代目日産ジューク。優れたハンドリングと乗り心地を獲得し、多くのライバルを振り払うのに充分なアップデートを受けたといえそうです。日本導入は見送られましたが、英国の道で評価しました。

英国デザイン、英国生産の日産ジューク

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
日産ジュークが2代目に生まれ変わった。初代より一回り大きく、熟成度も増している。英国の一般道を試すのは初めてとなる。

初代モデルは2010年に登場し、累計で100万人以上のドライバーを楽しませてきた。新しいモデルを既にご存知の読者もいるだろう。

日産ジューク DIG-T N-コネクタ
日産ジューク DIG-T N-コネクタ

AUTOCARでは8月に一度、プロトタイプを英国ミルブルックのテストコースで確かめている。さらに10月にはバルセロナで量産モデルの試乗もした。しかし、ガラスのように滑らかな路面だったから、ロータス・エリーゼでもメルセデス・ベンツEクラスの乗り心地に感じられる環境だった。

より重点的なロードテストも行う予定ではあるが、今回はガラスとは呼べない英国の舗装に挑む。日本ブランドのクルマではあるが、日産ジュークはかなり英国的なクルマでもあり、乗り心地以外にも気になる部分は沢山ある。

2代目ジュークがデザインされたのは、日産ヨーロッパ・デザインセンター。ロンドンのパディントンにある。車両設計はこちらも英国のクランフィールドにある開発センター。製造も欧州向け車両に限らず、英国のサンダーランド工場で行われるのだ。サプライチェーン全体を含めると3万4000人が関わっていることになる。

モデルラインナップはシンプルで、選べるエンジンは1つのみ。排気量999ccの3気筒ターボガソリンのみで、最高出力は116ps。

ジュークらしいボディデザインは健在

ディーゼルエンジンは考えられないが、プラットフォームはCMF-Bだから、ルノー・キャプチャーと共有することを考えればハイブリッドの登場はあり得る。いずれにせよ欧州で販売するのなら、何らかの電動化は避けられないだろう。

トランスミッションは6速MTか7速デュアルクラッチATが選べる。パフォーマンスを重視するなら6速MTとなる。

日産ジューク DIG-T N-コネクタ
日産ジューク DIG-T N-コネクタ

それ以外の構成はコンパクトカーとしては一般的なもの。サスペンションはリアがトーションビーム式で、フロントがマクファーソンストラット式となる。ダンパーは通常の固定式タイプ。だが設定が改められ、リバウンドを穏やかにするため、ダンパーの中に小さな2番目のスプリングが内蔵されているそうだ。

タイヤはブリジストン製。グリップやトラクションは、先代ジューク・ニスモに匹敵するという。

ボディデザインは以前ほど風変わりではなくなったが、間違いなくジュークらしい。フォグランプのように見えるヘッドライトは先代とのつながりを強く感じさせる。その上に切れ長のランニングライトが配されて、顔つきはずっと整った印象を受ける。

ボンネットの両脇にレイアウトされていたライトは、空力的に都合が悪く、オーナーの間でも賛否両論があったため、見直されている。大きく膨らんでいたフェンダーは穏やかになっているが、大胆なボディデザイン全体で見ると、より立体的な造形になっている。

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