【クラス一番のハンドリング】日産ジューク DIG-T N-コネクタ 3気筒ターボ
公開 : 2019.12.29 10:20
運転が楽しいと思えるクロスオーバー
テールライトはリアハッチとの分割式となり、荷室の開口部の幅も拡大。フロントガラスもリアガラスも傾斜角は強くなり、長く広くなったボディサイズと相まって、より安定感のあるスタイリングにまとまっている。アスファルトとの相性もいい。
実際に日産ジュークを英国の郊外の道へ連れ出せば、近い関係性にある日産マイクラ(マーチ)の運転がなぜ退屈なのか、疑問を感じるだろう。それほどジュークの運転は楽しいのだ。
ステアリングフィールは特に優れており、以前よりクイックながら神経質なところがまったくない。切り始めはやや重く、前輪へ掛かる負荷が増えるのと同時に、重みも徐々に増していく。
ルックスにこだわるドライバーなら19インチを選びたくなるところだが、乗り心地は硬めで、低速域では落ち着きがなくなってしまう。強いこだわりがなければ、英国なら17インチを選んだ方が懸命かもしれない。
しかし19インチであっても、100km/h近くまでスピードを速めれば、その硬さは引き締まった滑らかさに変わってくる。このクラスとしては珍しいほどに優れた姿勢制御を獲得している。
2代目日産ジュークには想像以上の落ち着きが備わっている。ステアリングは正確で、自信を持って進路を定めていける。ボディロールも限定的で、優れたフロントタイヤのグリップ力を生かしてコーナリングスピードも高い。
操縦性の良さは平均よりかなり上
新しいタイヤなのに路面をしっかり掴むだけでなく、まるでフォード製モデルのように、テールを遊ばせる鋭い操縦性すら得ている。
新しいフォード・フィエスタやフォーカスのハンドリングの良さを考えると、ジュークのライバルとなる、新しいフォード・プーマにもかなり期待するはず。比較試乗するのが楽しみだ。
われわれは、運転を愛するドライバーでも納得できる、優れたコンパクト・クロスオーバーがいつか登場することを願っている。自動車業界が切磋琢磨する中にあって、日産ジュークもかなりいい線に来ていると感じた。
日産ジュークのインテリアの質感は一歩前進した。長くなったホイールベースのおかげでリアの足元空間は広がり、荷室空間も大きくなった。オートバイをイメージしたという先代のインテリアデザインの尖った部分はなくなったかわりに、ソフト加工されたパネルが多く用いられ、質感は高められている。
8.0インチのインフォテイメント・システム用モニターを備え、画質は鮮明。やや反応が鈍くメニューは使いにくいが、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに標準対応するから、スマートフォンのユーザーなら不便を補える。