【詳細データテスト】スコダ・オクタヴィア・エステート 高まった質感 室内の広さは健在 パッシブサスでも乗り心地上々
公開 : 2020.09.12 11:50 更新 : 2020.09.12 23:20
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
このオクタヴィア、ハンドリングのスコアはパフォーマンスと同等だ。うるさいことをいわないオーナーなら、この点でネガティブな印象を覚えることはまずないと確信させるだけの適性は十分にある。だが、彼らがポジティブな発見をすることもまたなさそうだ。
要するにこのクルマ、ボディをほどほど水平に保ち、鼻先を向けようとした方向へ向ける以上には、ダイナミクスに取り上げるべき点がほとんどないのだ。
それだけに、運転はしやすいが、し甲斐のあるものではない。そしてその性能は、おおむねMQBプラットフォームの優秀さに起因するもので、スコダがファインチューンを施したからではなさそうだ。
これまでファビアやオクタヴィアのvRS仕様で、このチェコのメーカーは走りに満足できるクルマを造る実力の持ち主だということを証明してきた。しかしこのクルマの場合、エンジニアのプライオリティはほかのところに置かれた。それも理解できることではあるのだが。
ただし、明らかなことがひとつある。ステアリングに関しては、オクタヴィアの全グレードが同仕様というわけではないのだ。今回のディーゼル車は、以前に試乗した1.5Lガソリンの緩慢でありながらもレスポンスはいい操舵系より確かで重い手応えがある。
テスト車のタイヤはグッドイヤー・イーグルF1。どうしてこの驚くほど本気のタイヤを装着したのか、はっきりと理由はわからない。だが、これを履かせたことの弊害はなさそうだ。
もちろん、このタイヤは高いグリップ性能をもたらす。これがほどよいバランスの前後重量配分と相まって、望めば高速移動も可能となる。
そうはいうものの、たとえばアウディA4アバントのSラインと同じような足回りを期待するのは間違いだ。このクルマのパッシブサスペンションは、まったくスポーティではないフワつきやボディのロールに気付くのがさほど難しくはない。ただし、よりはっきりわかるのはフワつきのほうだ。