【詳細データテスト】メルセデス・ベンツGLB コンパクトな7座SUV Aクラス譲りのハンドリング 静粛性と乗り心地は及第点

公開 : 2020.09.26 11:50

メルセデスの小型車用プラットフォームを延長して用いるGLBは、室内が広く、ハンドリングも上々。快適性は納得できるレベルですが、7座SUVを成立させるのは基本設計的にギリギリだと思わせるところもありました。

はじめに

数十年にわたり、メルセデス・ベンツの背が高い四輪駆動車といえば唯一、ゲレンデワーゲンがあるのみだった。ところが、いまや8車種にまで拡大している。

今回、ロードテストの対象となるGLBは、そのラインナップの中でも最新モデルだ。車名からもわかるように、メルセデスのSUVとしてはもっとも小さいGLAと、その上位のGLCとの間を埋めるピースである。

テスト車:メルセデス・ベンツGLB 220d AMGライン・プレミアム 4マチック
テスト車:メルセデス・ベンツGLB 220d AMGライン・プレミアム 4マチック    JOHN BRADSHAW, MAX EDLESTON

もちろん、このクルマが参戦するコンパクトSUVセグメントに、存在意義の小さいモデルはひとつもない。いまやそれらはバカげたほど高い人気を集めており、各メーカーのモデルレンジのボトムエンドに欠かせないものとなっている。

それゆえGLBのライバルは、プレミアムブランドに絞っても、アウディQ3ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ、ジャガーEペイスBMW X1、そしてボルボXC40と、いずれ劣らぬ強敵揃い。このクラスの購買層は、まさによりどりみどりという恵まれた状況にある。それだけに、明確な差別化が必要となってくる。

はたして、GLBは明らかな個性を主張できているのだろうか。その問いへ簡単に答えるなら、十分ではない、ということになる。もっともそれについては、どのライバルたちも似たり寄ったり。唯一の例外は、真のオフローダーと呼べる走破性を備えたディスカバリー・スポーツだけだ。

GLBに、ランドローバー並みのオフロード性能は期待できない。その代わりに訴求するのが、どちらかといえば目を引く堂々としたエクステリアや、テクノロジーを詰め込んだインテリアだ。

さらに、7人乗りが標準仕様という点にも、ユーザーは利便性を見出せるはず。また、広さそのものは、GLAではなくGLBを選ぶ最大の理由になる。

メルセデスとしては、乗り心地や走行時の洗練性もクラストップに近いものがあるはずだが、最近は必ずしもそうではないことがある。走りも平均以上なのは間違いなさそうだが、メルセデスがSUVでマークしてきたサーキットでのレコードにもムラがある。

はたして、GLBが強みを発揮するのはどのような分野か。そして、このクラスのランキングで、何位に食い込んでくるのだろうか。

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