【詳細データテスト】メルセデス・ベンツGLB コンパクトな7座SUV Aクラス譲りのハンドリング 静粛性と乗り心地は及第点
公開 : 2020.09.26 11:50
結論 ★★★★★★★☆☆☆
GLBは、それだけをみれば完成されたクルマだ。プレミアムなファミリー向けSUVに、魅力的なレベルの実用性を上乗せしている。その7座レイアウトによって、ディスカバリー・スポーツはかつてのような唯一のチョイスではなくなった。
しかし、間違いなくこのメルセデスの最新モデルは好ましいのだが、同時にテスター陣は、ある思いを否定するのが難しかった。それは、あくまで使い勝手のいい派生モデルであって、クラストップの座を競える専用モデルではないというものだ。
より硬く、融通のききにくい乗り心地と、速度の高いコーナリング時のインパクトを扱いかねる傾向は、ハッチバックベースのシャシーが、限界ギリギリまで大幅にストレッチされていることを示唆している。
また、パワープラントは、実用的でヴィジュアル面でも魅力的なキャビンや、機敏さが心地いいハンドリングの魅力を削いでいる。もう少しリファインする必要があるだろう。
そうした点から、このクルマは真に勢力図を塗り替えるものだということはできない。だが、ディスカバリー・スポーツの遠慮ないまでにオフロードフレンドリーな運動性能とイメージも、5シーターしかないQ3やX1も好みではないのであれば、7シーターのGLBに心を動かされることだろう。そして、それは至極もっともなことでもある。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィス
GLBのマニュアル変速は、非常に鋭いレスポンスをみせるとはいえない。パドルを引いても待たされるか、なにも反応しないかだ。牽引する際にのみ使うのがベストではないだろうか。
リチャード・レーン
かつてのGLKは英国へ導入されなかったが、欧州本土では人気だった。支持された理由のひとつに、コンパクトなサイズながらゴツくて直立気味のデザインだったことが挙げられる。その点でGLBには共通するものがある。おそらく好調なセールスを記録するだろう。
オプション追加のアドバイス
トリムレベルは、スポーツ/AMGライン/AMGライン・プレミアムの3つ。もっともベーシックなスポーツでも装備内容は十分だが、その場合はエンジンが1.3Lガソリンのみとなる。そこでわれわれはもう少し追い金をして、2.0Lディーゼルを積む200d AMGラインを選びたい。
改善してほしいポイント
・2.0Lディーゼルエンジンは、負荷がかかった際の上品さをもっと改善すべきだ。
・乗り心地には、もっとしなやかさがあっていい。たとえ、ハンドリングのレスポンスを犠牲にしても。
・マニュアル変速のレスポンスは、もっと高めてほしい。