【詳細データテスト】メルセデス・ベンツGLB コンパクトな7座SUV Aクラス譲りのハンドリング 静粛性と乗り心地は及第点
公開 : 2020.09.26 11:50
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
メルセデスは、GLBのEVバージョンであるEQBの開発の真っ最中だ。航続距離は480kmを超えるとみられ、発売は来年の予定だ。しかしながら現時点では、このクロスオーバーのメカニズムはもっとトラディッショナル。いかなる電動化技術も取り入れられていない、現行プロダクトとシェアしているものばかりだ。
エンジンは4気筒のガソリンとディーゼルで、前輪駆動と四輪駆動を設定。トランスミッションは7速と8速の自動変速だ。4マチックこと4WDを選ぶと、エンジン出力は電子制御クラッチによって前後アクスル間で可変配分される。
通常、後輪への駆動力配分は20%だが、スポーツモードではそれが30%に増加する。オフロード環境では、このクラッチがデフロックとして機能し、前後へ50%ずつトルクを分配する。
英国でのラインナップは、163psの1.3Lガソリンを積む200、2.0Lディーゼルで150psの200dと191psの220d。それらの上位に位置するのが、AMGが手掛けたGLB 35 4マチック。ホットハッチのA 35と同じ306psの2.0L直4と、8速DCTを積む。1755kgの車両重量は、GLBでもっとも重いが、0-100km/h加速は5.2秒と、エントリーモデルのGLB 200に対しほぼ半分のタイムだ。
メキシコで生産されるGLBのプラットフォームは、Aクラスと同じMFA2がベース。ただし、ホイールベースは100mm延長され、3列シートを収めるスペースを稼いでいる。2829mmというのは、このクラスで最長だ。ディスカバリー・スポーツやQ3はもちろん、1クラス上のQ5さえ凌いでいる。
サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンクで、コイルスプリングを組み合わせる。オプションでアダプティブダンパーは用意されるが、エアスプリングはもっと大型のモデルでなければ与えられないアイテムということになるらしい。
デザインに関していえば、2019年の上海モーターショーで公開されたコンセプトモデルをなぞったもの。ボクシーなスタイリングで、キャラクターは兄弟分のGLAより兄貴分のGLCに近い。
ホイールハウスの追加アーチと直立したバンパーはとりわけストロングな造形。メルセデスは明らかに、ディスカバリー・スポーツを人気のファミリー向けSUVたらしめている類のいかつさを、多少なりとも取り入れようとしている。