【詳細データテスト】BMW 4シリーズ 速さも燃費も上々 アダプティブダンパーの乗り味も上々 見た目とサウンドは改善を希望
公開 : 2021.01.17 20:25
結論 ★★★★★★★★☆☆
いまや4シリーズはブランド性を確立したが、あまり成功しすぎるのは身のためにならないのではないかと思うのではないだろうか。というのも、先代モデルでは、相当数の3シリーズオーナーが、4シリーズのグランクーペに乗り換えたという噂が広まったからだ。
しかし、新型4シリーズのルックスと、BMWがパワートレインのラインアップを制限したことを踏まえると、2021年に乗り換えられる数は2013年のときほど多くはならないだろうと思える。
このクルマのスタイリングにいいたいことがいくらあったとしても、数多くのさまざまな客観的な資質に言及しないのは不公平だろう。M440iは毎日乗れて、どんな場合にも楽しめるクルマだ。速く、ドライビングに熱中できる。安定していて、落ち着きがあり、長距離の高速移動も得意で、洗練度も高い。しかも、インテリアはリッチでラグジュアリーだ。
残念なのは、感覚的な問題だ。見栄えがイマイチなだけではなく、サウンドも物足りない。採点するなら、ハイスコアを与えるに足るクルマだ。ただし、心から好きになれるかというのはまた別の話である。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
いくつかの走行モードを選ぶと、指針式のメーターが表示されなくなるのは気に入らない。デジタル速度計でいいと思えるときばかりではないし、オプションのヘッドアップディスプレイがなければ見づらいこともある。もっとシンプルで、読み取りやすい円形メーターが表示されれば、それこそ丸く収まるのだが。
リチャード・レーン
3シリーズでは最大サイズのタイヤをランフラットでなくしたBMWが、4シリーズでそうしなかったのは興味深い。ドライビングに悪影響はないのだろうか。ステアリングフィールはもっとよくなっただろうし、乗り心地ももう少しおだやかになったはずだ。ただし、どちらも大きな問題となるほどではない。
オプション追加のアドバイス
430iのMスポーツプロ仕様に、テクノロジーパッケージを装着するのがおすすめだ。高性能な後輪駆動クーペで、サスペンションは適切なスペックとなり、LSDもついてきて、価格は5万ポンド(約700万円)を切る。
改善してほしいポイント
・本当のエンジン音を、もっとキャビンで楽しみたい。フロントバルクヘッドに伝声管のようなものを設けることはできないだろうか。
・グリルはもっと低くするべきだ。形状変更も、サイズ縮小もしなくていい。位置を下げるだけでいいのだ。
・5シリーズに設定される6気筒PHEVユニットを移植して、445eを仕立てることはできないだろうか。