フォード・マスタング・マッハE 詳細データテスト 加速も操縦性も注文あり バッテリーに改善の余地

公開 : 2022.05.07 20:25  更新 : 2022.06.21 14:20

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

われわれは、タッチスクリーンに依存しすぎるクルマを批判してきたが、フォードはそうした声を交わすべく、15.5インチ縦型ディスプレイの一番下に大きな音量調整ダイヤルを設置した。

これだけ大きければ見落としようはないが、実際に使う機会はそう多くないだろう。というのも、ステアリングホイールに音量スイッチがあり、これが使いやすいからだ。ただ、助手席の同乗者にはありがたい装備だろう。

縦型センターディスプレイの下のほうには、音量調整ダイヤルが設置されている。運転席側からはステアリングスイッチのほうが使いやすいが、助手席側からの操作性は向上させるアイテムだ。
縦型センターディスプレイの下のほうには、音量調整ダイヤルが設置されている。運転席側からはステアリングスイッチのほうが使いやすいが、助手席側からの操作性は向上させるアイテムだ。    MAX EDLESTON

マイクロソフトが開発したSync4Aシステムは、画面の縁に沿って配置されたショートカットでの操作に慣れてしまえば、かなり使いやすい。しかし、走りながら腕を伸ばして操作するには、かなりの集中力が求められる。やはり、もう少し楽なほうがいい。

また、特定の機能ごとに用意された画面へたどり着くまでにいくつかの表示を経なければならないのはめんどくさい。もっとシンプルにしてほしいところだ。トリップコンピューターのデータもこのディスプレイに表示されるが、これはできればメーターパネルに組み込んでもらいたい。

スマートフォンの充電とミラーリングはワイヤレス式。どちらも、作動は安定している。

燈火類

アダプティブLEDヘッドライトは標準装備。自動レベリングやアクティブビームといった機能もつく。ややロービームの光軸が高いような感じで、常に対向車の幻惑を防げるものではなさそうだ。

ステアリングとペダル

ペダルは一般的なレイアウトより右寄りだが、しかし、問題はない。ブレーキはどちらの足でも楽に踏める。ステアリングコラムはアジャストできるが、テレスコピック量はもっとあったほうがいい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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