MG 4 EV 詳細データテスト 安価ながら高い完成度 後輪駆動の楽しさあり 快適性にも進歩あり

公開 : 2023.04.15 20:25  更新 : 2023.05.06 07:52

内装 ★★★★★★★☆☆☆

SAIC傘下での再出発以来、MGは安価なクルマのブランドに位置づけられ、インテリアはかつて金属やレザーをふんだんに使っていた頃より、コストカットしても見栄えのいいものにするためのチャレンジを行ってきたようだ。。その方面で上手なのはダチアだが、MGも研鑽を重ねている。そうして、MG 4ではMG 5とまったく違うものとなった。

MG 4のキャビンが魅力的なのは、ドライビングポジションがよく考えられているからだ。SUVが幅を効かせるなかにあって、これは紛うことなきハッチバックで、着座位置は低く、脚を伸ばして座るポジションで、ステアリングコラムの調整幅は大きい。テストしたSEグレードのシートやトリムはファブリックで、ややベーシック感があるが、丈夫そうで、まったくいやなものではない。

廉価モデルとしてはまずまずの内装だが、価格なりに安っぽいプラスティックもそこここに見られる。スペースはボディサイズのわりに広く、実用的だ。
廉価モデルとしてはまずまずの内装だが、価格なりに安っぽいプラスティックもそこここに見られる。スペースはボディサイズのわりに広く、実用的だ。    MAX EDLESTON

プラスティック部は全体的に硬く引っかかる感触もあるが、ダッシュボードとアームレストにはわずかながらソフトな部分もある。ほぼ全てがそこそこソリッドで組み付けはしっかりしており、スイッチ類にはそこそこ重みのある手応えが感じられる。

奇妙にして残念だったのは、ドアパネルには柔らかいビニールが張られているのに、肘を乗せることもあるドアの上部にはテクスチャーの入ったプラスティックで覆われていること。硬くて落ち着かず、爪が引っかかることもある。

初見では、エアコン操作は画面上の小さなボタンでしかできないのかと思った。スマートフォンをミラーリングした際などには消えてしまうので、どうするのかと詳しく見ていくと、ステアリングホイール上のボタンを、温度と風量を調整できるよう設定することができるのがわかった。

小物入れはまずまずよく備わっていて、センターコンソールには長めの収納があり、真っ当なサイズのグローブボックスと、だいぶ浅いドアポケットがある。

サイズ的にはBセグメント以上・Cセグメント未満で、後席はフォルクスワーゲンID.3ほど広くない。しかし、短いボンネットと長いホイールベースにより、一般的なCセグメントハッチよりスペースがある。

しかも、リアシートは上向きに角度がついているので、多くのEVより快適な着座姿勢が取れる。現実的にみて大人にもすすめられる空間だ。

荷室容量は363Lで、Cセグメントハッチに予想する程度の広さだが、フロアはフラットではない。トロフィー仕様はフロアパネルが二重底になり、充電ケーブルの収納スペースが生まれている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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