MG 4 EV 詳細データテスト 安価ながら高い完成度 後輪駆動の楽しさあり 快適性にも進歩あり

公開 : 2023.04.15 20:25  更新 : 2023.05.06 07:52

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

テストしたロングレンジSEは2万9495ポンド(約487万円)で、ルノーメガーヌEテック・エレクトリックの近いグレードであるエキリーブルより7500ポンド(約124万円)も安い。シトロエンe−C4は3万1995ポンド(約528万円)と近い価格帯だが、航続距離はかなり短い。充電回数が頻繁になるのを気にしないなら、2万6995ポンド(約445万円)のスタンダードレンジもある。

7年保証というのも魅力的に思えるが、走行距離は13万kmが上限。バッテリー保証を追加するプランもない。多くのメーカーは8年後で80%の充電量を保証しているが、MGは通常保証期間内で70%とやや見劣りする。

残価予想はかなりいい。より高価なクプラと比べても、残価率は高い。
残価予想はかなりいい。より高価なクプラと比べても、残価率は高い。

公称135kWという急速充電は、このクラスでは競争力のあるもので、実測ではピークで139kWをマークした。これは充電量50%まで続き、そこからは徐々に低下していった。10〜90%の所要時間は35分と、公称値よりやや早かった。

ただし、旧型の50kWチャージャーでは受け付けないことがあった。こうした充電器はかなりの数が使われているので、実用面では深刻な問題だ。

テスト中の気温はほぼひと桁台で、エネルギー効率向上の助けにはならなかった。4.8km/kWhを上回るのは難しく、計算上の航続距離は298km止まり。しかし、もっと温暖な天候では5.8km/kWhをマークし、それなら357kmの走行が可能だ。公称値の6.0km/kWhに近い数値で、クプラやキアのライバル車にも迫る。

寒さによって露呈したMG 4ならではの問題はほかにもあった。エアコンの温度設定がかなり不正確で、ほかのクルマと同じように暖房を効かせるには、設定温度を4℃ほど高くする必要があった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事