メルセデス・ベンツGLC 詳細データテスト 必要十分な走り 見栄えも実用性も良好 ひと味足りない

公開 : 2023.09.23 20:25  更新 : 2023.10.24 20:41

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

初代GLCが登場した2016年、われわれはAMGラインのサスペンションが、路面の悪いところでは不安定さを見せると批判した。それから7年、かつてほどひどくはないが、今回も同じ類の不満を抱くことになった。

プライマリーライドは上々だが、AMGラインのコイルスプリングは、おそらく20インチホイールと組み合わせずとも、荒れた路面からの入力を遮断するのに苦戦し、ステアリングコラムには歓迎できない感覚が伝わってくる。この粗さは、英国の道路を顧みず、ドイツの道路に合わせたセッティングではよくあることだ。

AMGライン系のみの設定であることも災いして、洗練度はメルセデスに期待するレベルに達していない。乗り心地も静粛性も、改善の余地ありだ。
AMGライン系のみの設定であることも災いして、洗練度はメルセデスに期待するレベルに達していない。乗り心地も静粛性も、改善の余地ありだ。    MAX EDLESTON

ひどく目立っているわけではないが、はっきりわかるもの。洗練性はメルセデスがリードしているべき領域だが、このクルマの場合、ほぼよく出来ているものの、際立ってはいない。BMW X3などよりは優れているにしてもだ。間違いなく、20インチ仕様のGLCより、19インチ仕様のCクラスのほうが、ほぼすべての面で上回っている。

静粛性についても、メルセデスに期待するほどではない。エンジンはアイドリングではおとなしいが、113km/h巡航での室内騒音は69dBAと、今年テストしたMスポーツサスペンション装備のBMW X1 xドライブ23iの67dBAにも及ばない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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