BMW i5 詳細データテスト 乗り心地は硬め ハンドリングは良好 航続距離は物足りない
公開 : 2023.12.09 20:25 更新 : 2023.12.13 07:41
結論 ★★★★★★★☆☆☆
近いポジションのライバルと比較すれば、BMW i5はかなり競争力のある値付けで、物足りない航続距離やパフォーマンスはほかの部分で埋め合わせている。
しかし、見方を変えると、より興味深い。まず、今回のi5が5.1万ポンド(約944万円)〜10万ポンド(約1850万円)弱というG60型5シリーズの価格帯における真ん中より上に位置するとすれば、ポジションを正当化できるだろうか。
サステナビリティや道義面の魅力についてはそう言えるだろう。パフォーマンスや洗練性、ハンドリングやキャビンのデジタル技術に関しても十分だ。しかし、航続距離や乗り心地、オールラウンドな使い勝手や室内のマテリアルのクオリティに関しては、おそらくそうではない。
もうひとつは、BMWの電動セダンの基準が、i4やi7に続いてどこへ向かうのかということ、そしてその基準に照らせば、i5に欠けているものがたやすく指摘できるのか。相対的にi4には明らかなセールスポイントがあり、i7には航続距離や高級感という魅力がある。しかしi5には、突き詰めていくと多少の不足が見えてくるのだ。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーン
フル電動モデルとなると、5シリーズの平均を58%削減したというライフサイクルエミッションが気になるだろう。しかし、個人的に印象的だったのは、サプライチェーンにおける20〜25%のカーボンフットプリント低減のほうが印象的だった。
マット・ソーンダース
エクステリアのあちこちを光らせる流行は、早く廃れてくれないだろうか。BMWのアイコニックグローは、光る蝶ネクタイみたいで、はじめは笑い飛ばしていたのだが、その後は乗っているのが恥ずかしくなった。
オプション追加のアドバイス
i5 eドライブ40 Mスポーツに、2000ポンド(約37万円)のテクノロジーパッケージ、2400ポンド(約44万円)のアダプティブサスペンション・プロフェッショナル、600ポンド(約11万円)のクラフテッドクラリティ・グラスを追加したい。それでも価格は8万ポンド(約1480万円)をわずかに切る。
改善してほしいポイント
・2トーンのバンパーやシル、そしてMスポーツサスペンションを装備しないグレードを設定してもらいたい。
・iXやi7と同等の直流急速充電の追加を。そして、リアルな航続距離の向上を。
・マイナーなスイッチ類のクオリティを、見栄えも感覚も引き上げてほしい。