新旧ブガッティ対決 ドイツ産ヴェイロン vs イタリア産EB110 回顧録
公開 : 2019.01.05 07:10
ブガッティEB110は発表当時究極のスーパーカーとして敬意を集めました。その栄光を引き継いだヴェイロンとの比較試乗記です。両車を比較してみるとヴェイロンと同じく、EB110もまた自信を持って実力を発揮させられる、信頼できる相棒だと確認できました。
もくじ
ー 共通点の少ない2台
ー 究極のスーパーカー
ー 希少性で勝るEB110
ー 直線的なデザイン
ー 未完成のプロトタイプのような内装
ー 技量が求められるV12
ー VWらしいマナーのヴェイロン
ー 素晴らしい走りと質感
ー 自家用ジェットを動かすより高いメンテ費用
ー 経済的に見えるEB110
共通点の少ない2台
ブガッティ・ヴェイロン──2005年生まれ。フォルクスワーゲンによってドイツで開発され、フランスで製造される。超弩級のスペックと2億円にほど近い価格、それに400km/hオーバーの最高速度と2.5秒の0-100km/h加速タイムにより、いまだ製造中でありながら、すでに伝説の名車となっている。
ブガッティEB110──1991年生まれ。精鋭デザイナーとエンジニアからなるグループの手によりイタリアで開発される。超弩級のスペック、長らく消滅していたブガッティ・ブランドを復活させた話題性、それにミハエル・シューマッハがSS(スーパースポーツ)バージョンを長らく所有していたことにより、今なお伝説の名車として記憶に残っている。
この2台、どちらもブガッティのエンブレムを身につけ、スーパーマーケットの駐車場にはどう考えても似合わないところは同様だ。だが、EB110とヴェイロンには、それ以外にどれだけの共通点があるだろうか。開発した企業はお互いまったく無関係で、片方はすでに倒産し、もう片方は隆盛を極めている。
スタイリングの接点を探しても、最大限に好意的に解釈したとしてもごくわずかしか見あたらない。まして価格と動力性能にいたってはとてつもないほどの隔たりがあり、たとえるならアウディのTT RSとR8 V10の差に等しい。