【オンデマンドで自動運転】メルセデス・ベンツ、デジタルビジネスに注力 新アプリ投入で
公開 : 2020.08.14 19:20 更新 : 2021.04.26 15:10
メルセデスは自動車業界の「デジタルリーダー」になるべく、次世代システムの開発に力を入れています。コネクティングや自動運転を活用し、新機能をふんだんに盛り込んでデジタルでの収益拡大を目指しています。
デジタル世界でのビジネス拡大
メルセデス・ベンツがリリースした新世代のスマートフォン用アプリでは、将来的には、自動運転車を操作できるようになる。そんな革新的なデジタルサービスの開発が進められている。
「メルセデス・ミー」シリーズの3つのアプリと、独自の開発プラットフォームにより構成される「デジタル・エコシステム」では、オーナー個人で車内の温度調整やサービスの予約といった機能を追加できるようになる。
しかし、これはメルセデスにとって、重要な収益源となるデジタルサービスを提供するための第一歩に過ぎない。
メルセデスのデジタルサービス部門の責任者であるマティアス・ヴァイトルは、AUTOCARに対し次のように語った。
「これは、デジタルサービス・ビジネスの新しい時代の出発点に過ぎません。新たなアプリは遠隔操作以上のことができるのです」
「安全性、アップルウォッチをはじめとするデバイスとの接続性など、さらに多くのことが考えられます。私たちの目標は、業界のデジタルリーダーになることです」
スマホから自動運転の起動も可能に?
メルセデスのデジタルサービスが重要な役割を果たす分野の1つに、自動運転車がある。
先月、メルセデスのオラ・ケレニウスCEOは、シリコンバレーに拠点を置くNVIDIA(エヌビディア)との提携を発表した。
この提携により、2024年以降のメルセデス車には、自動運転機能を含む次世代システムが搭載されることになる。
ヴァイトルはこう述べている。
「私たちのクルマには、デジタルサービスを介して、オン/オフを切り替えることができる特別な装置が搭載される予定です」
「オラ・ケレニウスが最近話している自動運転も、オン/オフの操作がオンデマンドで可能になる要素の一例です」
「これは非常に柔軟性が高く、自動車業界におけるデジタルサービスビジネスの将来だと考えています」
また、新しい開発者向けプラットフォームの採用により、これまでよりもはるかに迅速なアプリ開発や、機能の追加ができるようになるという。
ヴァイトルは、今後の機能の詳細については明かさなかったが、メルセデスAMGのパフォーマンスモデルには、標準的なAMGモデルにはない独自の特注アプリが搭載されると述べた。