【ホンダeは独自志向】小さなバッテリー大丈夫? 「70年代シビックのよう」の背景 気になる事業性は
公開 : 2020.08.21 05:50 更新 : 2020.08.21 10:09
ホンダが8月にEV「e」を発表。日産のアリアやリーフと比べるとバッテリー容量が小さく航続距離も200kmほどです。背景にホンダが独自で進めるエネルギー網との連携があります。その実態とはどんなことでしょうか?
日本に電気自動車ブームは来る!?
ついに、日本でも本格的なEV(電気自動車)時代の到来か!?
そんなニュアンスで、最新EV事情を紹介するテレビやネットのニュースをよく見かける。
そこまで言い切れるのは、ニッサン、ホンダ、マツダ、ポルシェ、プジョーなど自動車メーカー各社が次々と日本市場向けの新型EVを発表しているからだ。
2期連続で赤字が予測させる日産にとって「新しい扉を開く重要なモデル」として、コロナ禍にあってもオンラインを使った様々な手法で積極的にアリアの存在をアピールしている。
さらには、日産グローバル本社近くに、未来型エンターテインメント施設「ニッサンパビリオン」(2020年8月1日~10月23日)を開設し、アリアを筆頭としてEV普及を後押ししている。
一方で、ホンダの動きは意外と地味だ。
今年(2020年)7月31日に、ホンダ「e」の日本国内8月発表を踏まえた専用ホームページを公開したものの、日産のように大々的なプロモーションを行う予定は特にないようだ。
仮に、日本でのEVブーム到来が本当だったとして、すでに欧州向けで先行して動き出している「e」を、なぜホンダは日産のように強くプッシュしないのだろうか?
満充電で航続200kmは短か過ぎ?
ホンダ「e」はどんなEVなのか?
英国AUTOCARでは日本より先に、欧州仕様での試乗記を掲載している。
ボディ寸法は、全長2894mm×全幅1752mm×全高1512mm。
同記事で英国人記者の感想にもあるように、「70年代シビックのようだ」という声は日本のみならず海外でも多い。
ホンダとしては、副燃焼室を用いた独自の環境技術CVCCによって一世を風靡した、初代シビックにように、ホンダeがEVの世界標準になって欲しいという想いがある。
それを具現化するため、こうした外観デザインとなったと考えるのが妥当だ。
欧州仕様では、駆動用バッテリーの電気容量は35.5kWhで、満充電での航続距離はWLTCモードで201kmである。
日本仕様もこれに準ずるものと考えられる。
となれば、販売価格にもよるが「(距離が)それしか走れないのなら、日産を選ぶ」という声が日本のユーザーから聞こえてきても不思議ではない。
アリアは65kWhバッテリー搭載のFF車で450km、90kWhのFF車で610km。ハイパフォーマンスなe-4ORCE(AWD)の90kWh搭載車でも580kmも走れるからだ。
既存のリーフでも、40kWh搭載で322km、62kWh搭載で458kmである。
なぜホンダeは、リーフのベースモデルより搭載バッテリー容量を小さくしたのか?
満充電で200kmしか走りないことを、ホンダはどのように解釈しているのだろうか?