BMW i7 詳細データテスト 静粛性と乗り心地は秀逸 4WSの俊敏さは驚異的 航続距離は要改善
公開 : 2023.02.25 20:25 更新 : 2023.03.04 23:07
新型BMW7シリーズのEV仕様を徹底テストしました。もう少し航続距離はほしいものの充電性能は高く、静かで乗り心地に優れ、4WSにより取り回しも上々。歴代の欠点を正しつつ、長所は伸ばした完成度の高いサルーンです。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ー内装 ★★★★★★★★★★
ー走り ★★★★★★★★★☆
ー使い勝手 ★★★★★★★★★☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★★★★
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
ー購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★★★☆
はじめに
本質的にトラディッショナルなフルサイズサルーンほど、電動化が進んでいないクラスはなかったのではないだろうか。しかし、いよいよ完全電動高級サルーンのマーケットが生まれつつあり、BMWもそこに参戦した。
まずはメルセデスが2021年終盤にEQSを投入し、それを追ったのが2022年のジェネシス・エレクトリファイドG80だ。2023年には、このセグメントの先駆者であるテスラ・モデルSの最新バージョンや、右ハンドル仕様のルーシッド・エアが英国に上陸する見込みだ。アウディも、2024年にはA8のEVモデルを投入する予定だ。
すでに、電動化を受け入れようとしている高級車購買層は存在する。彼らの目を引くための足がかりを作るべく、どのメーカーも時間を無駄にできないのは明らかだ。
7世代目となる7シリーズは、まさしくこれを意識して開発された。英国へはEVモデルであるi7の、今回テストするxドライブ60のみが、いまのところ導入されている。今年後半には、2機種のPHEVが導入され、その後は最上位のMパフォーマンスモデルであるM70が続く。
ライバルにはEV専用設計のものも少なくないが、i7は内燃エンジンの7シリーズとプラットフォームを共有している。そうなると、パッケージやパフォーマンス、航続距離やスペースなどに妥協は生まれないのだろうか。21世紀の高級サルーンとしての完成度はいかなるものか、検証していこう。